日本におけるコラーゲン注入療法の最新動向
大連ウェブセミナー
日時:2025年2月24日(月曜日)時間:19時00分〜20時30分
講師:征矢野進一 医学博士(Shinichi Soyano M.D.)
コラーゲン注入の歴史
- 最初のウシコラーゲン使用は1977年(米国)
- 日本では1986年よりZyderm1, Zyderm2が使用開始。日本のFDAに認可されました。
- 1988年からは高研のアテロコラーゲンも使用しています。高研のアテロコラーゲンは1986年に日本のFDAに認可されています。
- その他のコラーゲン注射は2000年以降です。
コラーゲン注入剤の種類
牛コラーゲン
- 1981年以降 -ザイダーム1、ザイダーム2、ザイプラスト(2009年製造中止)
- アテロコラーゲン1%、2%、3%、(6.5%) 1986年以降
- フィルダーム(3.5%)
ヒト・コラーゲン
- コスモダーム1、コスモダーム2、コスモプラスト(2003年以降2009年製造中止)
- 2010年よりヒューマラジェン
- 2024年よりベビーダーム
豚コラーゲン
- エボレンス(クラシック)、エボレンスブリーズ(2000年以降 2009年製造中止)
- 2003年よりセラフィル(TheraFill)
製品の販売停止理由
「ザイダーム(Zyderm)」はコラーゲン・コーポレーション社(米国)が製造・販売を担当していたが、同社は20年以上前にアラガン・エステティック(Allergan Aesthetic)社に買収された。
アラガン社は2000年以降、施術の容易さや市場需要の観点から、主としてヒアルロン酸(HA)の販売に注力する方針を採用しました。ヒアルロン酸が皮下層への注入が可能であるのに対し、コラーゲン製剤は真皮層への注入に高い技術を必要とするため、使用する医師の数に制限があることが理由であると考えられます。コラーゲンの方が下眼瞼などの細かい皺にも適応となると言う長所がありますが、ウシ由来コラーゲンは皮内テストが必要で1カ月の期間が余分にかかることが欠点です。こうした理由から、Zydermシリーズの販売は中止されたと考えられます。一方、日本の高研社は注射用コラーゲンの生産を継続する方針を宣言したため、同社のアテロコラーゲン製品は現在も使用されています。
コラーゲンの特性
メリット
- 自然な仕上がり
- 幅広い部位に適用
- タッチアップが容易
デメリット
- 持続期間が比較的短い(3~6ヶ月)
- 皮膚テストが必要な場合あり(特にウシコラーゲン、ブタコラーゲン)
- 遅延陽性反応(皮膚テストが陰性に見えても、数週間後に赤く腫れることがある)
注入直後の結果の違い(30G/34G)
アテロコラーゲン2%を注入しました。左 30G / 右 34G 注入直後の状態です
コラーゲン注入の深さと注入量について
施術前と施術直後の状態比較。
コラーゲンは真皮層に注入する。特に目の周囲では皮膚の厚さが通常1mm以下であり、注入時にはやや多めの量を注入することが推奨されます。
コラーゲン注入の施術手順
- 顔のシワに対してコラーゲンを注入する。
- 初回の治療の1〜4週間後にタッチアップ(追加の調整施術)を行う。
- 数か月後から1年半以内に、2回目の治療が必要となる場合がある。
眼周囲の施術においてコラーゲンが他の素材より優れている理由(その1)
施術前後の比較(レスチレン注入後)
レスチレン(Restylane、ヒアルロン酸製剤)を使用すると、施術後に腫脹(はれ)が生じる場合があります。
眼周囲の施術においてコラーゲンが他の素材より優れている理由(その2)
施術前(レスチレン注入後)と施術後(ヒアルロン酸を溶解後)の比較
ヒアルロン酸(HA)を溶解処理した後、腫れが改善することが確認されました。
眼周囲への施術にコラーゲンが他の材料よりも適している理由(その3)
ヒアルロン酸を溶解後(施術前)と、コラーゲン注入後(施術後)の比較。
コラーゲン注入により、自然で腫れのない仕上がりが得られました。
コラーゲンはどのくらい効果がありますか?
コラーゲンは通常3~6ヶ月有効です(アテロコラーゲン2%を注入した場合)。
-コラーゲン1ヶ月後と6ヶ月後の症例写真
コラーゲンの効果持続期間
眉間のシワ(眉間部)にアテロコラーゲン6.5%を注入
この6.5%の濃度のコラーゲンは、9か月間効果が持続しました。
ヒアルロン酸(HA)とコラーゲンの違いについて
- ヒアルロン酸(HA)は、注入の翌日から7日間程度、腫れが生じることがあります。
- 翌年、効果の持続性が低下したため、コラーゲンの代わりにヒアルロン酸(HA)を注入しました。
このような経過により、両素材の違いを明確に観察することが可能です。
下眼瞼の縁への注入(アテロコラーゲン1%)
下眼瞼の縁(まぶたの端)に、濃度1%のアテロコラーゲンを注入した施術例
下眼瞼の縁への注入(ジュビダーム使用例)
コラーゲン注入から1年後、ヒアルロン酸製剤(ジュビダーム)注入前の状態を示した例です。
コラーゲンの注入技術1
Zyderm2を法令線(nasolabial fold:鼻唇溝)に注入する施術
コラーゲンの注入技術2
Zyderm1(濃度3.5%)を目尻のシワ(crow's feet)に注入する施術
下眼瞼のシワへのコラーゲン注入例
目尻のシワには「Zyderm1」を使用し、下眼瞼のシワには「アテロコラーゲン2%」を使用した施術例
目の下のクマへの施術(アテロコラーゲン3%)
施術前と施術8日後の比較。アテロコラーゲン(濃度3%)を用いた施術例
額・眉間・法令線のシワへの施術(コラーゲン使用例)
額(forehead)、眉間(glabella:眉間のシワ)、および法令線(Nasolabial Fold:鼻唇溝)に対して、Zyderm1、Zyderm2、Zyplastを使用した施術例
法令線への施術(collagen/ humallagen使用例)
法令線(鼻唇溝)にヒト由来コラーゲン(ヒューマラゲン)を注入した施術例の比較
本症例の患者は、ウシ由来のコラーゲンに対するアレルギーがあるため、ヒト由来コラーゲンを使用
唇のボリュームアップ施術(架橋コラーゲン/Cosmoplast)
上下の唇に架橋コラーゲン製剤「コスモプラスト(Cosmoplast)」を注入した症例(施術前と施術1ヶ月後の比較)